今日はドクターメイトの主力事業である「夜間オンコール代行」についての紹介記事です。
・お仕事の流れややりがいは?
・思っていた仕事とギャップはあった?
・本業との両立はどうやっているの?
サービス実現に欠かせないオンコールナースたちによる、座談会形式でお送りします。
登場メンバー
🐶 細畑 梢さん:写真右
大阪に住んでるのに「ちょっとご飯」と名古屋まで行けちゃう、フッ軽オンコールナース。
飼っているトイプードルは体重が約7kgもあるけど、太ってはおらず純粋にでっかいだけ。
🐱 島田 くみ子さん:写真中央
住まい:東京都
2匹の猫を愛でながら生きる、おっとりオンコールナース。
Netflixで、命懸けのサバイバルドラマ「イカゲーム」を観るのにハマっている。
🐭 角田 未央さん:写真左
元オンコールナースであり、現在はオンコールナースの教育担当。島根在住。
娘(3歳)のブームである「ローラー滑り台」に全力で付き合い、お尻を痛める日々。
関連記事:【オンコールナース名鑑】現職と挑戦を両立!心配性の私が専門領域から踏み出せた理由
オンコールナースってどんなお仕事?
まずは自己紹介から、よろしくお願いします!
🐭角田:ドクターメイトの医療グループに所属しています、角田 未央です。2年前くらいにオンコールナースとして関わりはじめたのをきっかけに、今はドクターメイトの社員として、オンコールナースの教育や導入施設さまとの打ち合わせなどに関わっています。
以前は大学病院で10年ちょっと働き、そのあとはクリニックに移って2年ほど働いておりました。小児科領域メインだったんですが、ドクターメイトと出会ってから介護医療の現場で課題解決していこうと決めました。
🐱島田:島田 くみ子です。小学生の娘が2人います。オンコールナースとして2年ほど関わらせていただき、先月からドクターメイトの社員になりました。
経歴としては総合病院で看護師として14年くらい勤務し、いろいろな科を回ってきました。その後、リハビリ病院に移って副業でオンコールナースをしながら3年くらい働いたところで、ドクターメイトに転職しました。
🐶細畑:この中ではいちばん新米の、細畑 梢です。2月からオンコールナースのお仕事に関わらせていただいて、ちょうど4ヶ月経過したところです。
看護師として病棟で18年勤務をして、その後4年ぐらいは、吸引や経管栄養などの医療的ケア行為を介護職員さんに指導する講師の仕事をしています。基本的にはリモート勤務です。
オンコールナースをする前は講師と並行してコールセンターのアルバイトをしていましたが、それを辞めて、オンコールナースと講師の仕事の2本でやってます。
🐭角田:今日はこの3人で、オンコールナースの仕事の流れや魅力についてお伝えできればと思います!
お仕事の内容と流れについて教えてください!
🐱島田:夜間オンコール代行サービスを契約している施設さまからのお電話に対応しています。毎晩、複数名の看護師が待機していて、着信はランダムで割り振られる仕組みです。
特別養護老人ホームや障害者施設など、全国各地にある様々な契約施設さまから電話がかかってくるので、自分の携帯が鳴ったら電話を受けて、施設の方とお話しします。
🐭角田:電話の相手は、夜勤中の介護職員さんがほとんどです。夜間の転倒・転落や、急な発熱、嘔吐など、さまざまなお問い合わせをいただきます。オンコールナースはその都度マニュアルを見ながら、ヒアリング・判断・アドバイス、時には医師に指示を仰ぐなどして、医療的なサポートをしています。
🐱島田:対応が終わったらお伝えした内容についてレポートを書き、施設長などの責任者に情報共有します。だいたい電話を切ってから10分以内には会話内容をまとめて、また次の電話を待つ……というのが仕事の流れです。
🐶細畑:まとめると、待機する → 電話を受ける → 話を聞く → マニュアルを見ながら緊急度を判断する → 対応のアドバイスをする → レポートを書く。基本的にはこの繰り返しですね。翌朝になってから経過を確認する「日中ヒアリング」という業務も担当できます。
もともとはオンコールナースのお仕事って、あんまり想像ついてなくて。研修を受けてようやくわかった感じなので、今後興味を持ってくださる方にはこの記事を通じて「あー、こういう感じなんや」って思ってもらえたら嬉しいです!
看護師としての経験を踏まえた「マニュアル遵守」の難しさ
難しいところ、苦労したところは?
🐶細畑:最初は「今までの看護師経験をフル活用して、介護スタッフの相談に乗る」というイメージやったので、そんなに難しくないかなと思ってたんですけど……。
実際にやってみると、マニュアルを活用するのがとにかく難しかった! 最初のころは「自分で判断できる!」っていう過信やプライドがあって、自己流でヒアリングしてしまい、後で困ったりしました(汗)。
🐱島田:すごく分かります! マニュアル遵守の大切さを感じますよね。
🐭角田:看護師としてのスキルとか経験はベースとして必要なんですけど、マニュアルを使いこなして対応するっていうのは、また別のスキルだなって思います。
🐱島田:常にアップデートされるから、適応し続けなければいけない大変さもあるし。興味持っていないと難しいですよね。それを楽しい、面白いと思いながら取り組める人が向いてるのかなって、細畑さんを見ていると思います。
🐶細畑:よくお電話いただく症例はもう、穴が開くほど見ました(笑)。それでやっとこさ、どんどん言葉が出るようになってきましたね。あのマニュアルを作り上げた先人たちは、私にとってほんまにすごい人たちやなと思いました。
なんか「マニュアル通り」って聞くとすごく面白くないような感じに聞こえると思うんですけれども(笑)。違うんですよ。マニュアルに沿って質問すると、すごく適切なトリアージができるっていう、想像以上にすごいマニュアルなんです!
でも、そのすごさが腑に落ちるまでは、出ちゃうんですよ、勝手に。抑えきれない「看護師としての自我」みたいなものが……! これまでの経験に、むしろ邪魔をされてるような感覚でした。
看護師として経験が邪魔をする、とは?
🐭角田:看護師としては、熱が出たって言われたら「なんで熱が出た? 感染経路は?」っていうようなことが気になっちゃうんですよねぇ。そういう背景情報にワーッと考えを巡らせちゃうと、本質を見失ってしまいますよね。
🐶細畑:そうなんです! 看護師としては臨床推論(考え得るすべてを列挙してから分析する考え方)が大事! と教育を受けてきたのもあって、良かれと思ってマニュアルに無いことまで聞いてしまうっていう……。
🐱島田:いろいろ気になりすぎて話が長くなっちゃうんですよね。施設の利用者さんは大体80代〜100歳なので、既往歴(これまでにかかった病気)を聞いただけでも20個くらい出てきちゃって、それだけで3分、5分と時間が経ったり……(汗)。
🐭角田:あるあるですよね……! 病院にいる看護師とオンコールナースの一番大きな違いは、対応の目的だと思います。
病院では「治療」が目的だけど、オンコールナースは「利用者さんと施設の方に、一晩を安心して過ごしてもらうこと」が目的なんですね。この視点で考えると、細かい話って意外と要らないんです。
🐱島田:施設職員さんは忙しい中でお電話をくださってるから、少しでも早く、確実な判断をお伝えするのが大事ですよね。
🐭角田:そうそう! シンプルなほうが介護職員さんも混乱しないし、利用者さんにとっても素早い対応に繋がって、お互いにとっての最良・最短のコースですから。
🐶細畑:介護職員さんが知りたいのは「どうしてそうなったか」「どうやって治すか」じゃなくて「今どうすればいいか」なんですよね。
自分の役割は治療じゃないんやな、病院の看護師さんとは違うんやな、って。今までの常識と違うのでかなり葛藤しましたけど、今はすっかり理解できました!
乗り越えられたのは、私の悩みを「わかる、わかるよー」と共感してくれた先輩たちのおかげです。リモート勤務で実際にお会いしたこともないのに、抜群のフォロー体制で私の壁を一緒に打ち砕いてくれました。
🐭角田:んふふ! ふたりとも、よくぞ乗り越えてくださった! 多分みんな通る道なんですよね。看護師の経験が根底にあるからこそ、オンコールナースとしてぶつかる壁にも自然と「わかるよ」って言葉が出てくるのかな。
週2回からの勤務で、無理なくスキルアップ
普段はどんなふうに働いていますか?
🐶細畑:私の場合、日中は医療ケアの講師の仕事をして、週に2,3回ほどオンコールのシフトに入っています。
17時半に講義が終わったら、ご飯やお風呂をぱぱっと済ませ、19時からオンコールの待機に入ります。翌日も仕事なら5時間前後のオンコール対応をして寝る。次の日が休みなら、深夜〜朝のシフトに入る、っていうパターンが多いですかね。
🐱島田:去年は、病院でパートをしながら副業でオンコールナースをしていました。次の日が休みのときに、オンコール勤務をするイメージです。
基本的には子どもが動き回っていると気が散るので、日勤が終わって帰宅した後、家事を終わらせて、家の中が静かになった深夜〜朝までの待機シフトに入らせてもらいました。
🐶細畑:無理にでも入ってほしい! みたいな圧は一切ないですし、万が一、体調を崩してシフト予定日に入れなくなっちゃった時も「この日空いちゃったのでとか、入れる人いませんか?」って呼びかけて調整してくださいます。
🐭角田:健康第一ですからね! 無理なく続けてほしいなと思っています。
私も、オンコールナースを始めた頃は週1回とか、多くても週2回の勤務でした。やっぱり慣れるまでは緊張感のある仕事じゃないですか。身体を使ってるわけじゃないけど、緊急性が高い判断も求められる場面もあるので疲れると思うんですよ。そういった面でも、最初の頃は週2くらいで、本業との兼ね合いや自分のペースを考えながらやっていくのがいいと思いますね。
🐱島田:入りたいだけ入るのは、数ヶ月して慣れてきてからがいいですね。はじめは本当に緊張します。落ち着かないし、電話来ると手が震えるし、でも電話が来ないのも不安だし(笑)。
🐶細畑:わかる〜! 全国の施設からのオンコールを受けるので、電話が鳴らない夜ってないはずなんですよ。それなのになかなか電話がかかってこないと「え、自分の携帯の設定とか大丈夫かな? マナーモードになってない?」って何回も確認しちゃいます。
🐱島田:やるやる(笑)!
🐭角田:私はドクターメイトの着信音だけすごい緊急性がありそうな音にしてたり、アップルウォッチをつけて振動させたりして、絶対に気づくようにしてます。それぐらい、みんな責任感を持って対応してくださっていますよね。
仕事のやりがいや、面白いポイントは?
🐶細畑:私って講師なので、普段の仕事がゆうたら医療現場ではないじゃないですか。私にとってオンコールは、患者さんに関わったり、医療に関わったりできる、唯一の場所なんですよ。
医療の用語ってどんどん新しくなるし、そうした最新に触れられる、すごく勉強させてもらえる、ありがたい場所。だからきっと、マニュアルも面白く見ていられるんだと思います。
🐱島田:すごく勉強になりますよね。病院とかで働いていて目の前に患者さんがいるより、逆に知識を求められるというか。病院ではなんとなく先生に判断を仰ぐような内容も、オンコールナースだとある程度は自分でしなきゃいけないので、思っている以上に鍛えられるというか。すごい難しいけれど、やればやるほど勉強になるし、本業でも判断が早くなったなって思います。
🐶細畑:看護師同士の会話じゃなく、電話の相手が介護職員さんだからこそ、どんなふうに聞けば自分の必要な情報が得られるかな、どうやったら上手く伝わるかなとか考えるのも、すごく勉強になります。
🐭角田:そうですよね。看護師さんと面談していて「本業にも役立ってるんです」と言われることは多くて、とっても嬉しくなります。判断もそうですけど、特に電話対応の接遇スキルとかって、臨床看護師はあんまり直面してこないじゃないですか。
🐶細畑:そこは本当にできなかったところなんですよ! 今までは患者さんとラフな関わり方をしてきたので、講師の仕事をする中で言葉遣いとか注意を受けたこともありましたし。電話では表情が見えないからこそ、さらに気をつけなあかんと思いますね。
吉田さんとかがよく「電話に出る時は、明るい声でゆっくり話してね」って何度も言ってくださったので、そんなんもすごく大切やなと思って心がけています。難しいことになればなるほど早口になってまうし、あと私、めちゃくちゃ関西弁じゃないですか。それも、時と場合によっては邪魔になることもあると思うので。クオリティ高めるために丁寧にフィードバックをくださるのは、心強いなと思います。
🐭角田:でも、全国の施設と話せるから、関西の施設さんの時はそのまま話したり?
🐶細畑:あ、たしかに(笑)。大阪府の施設か〜と思うと、最初から普通に関西弁で喋ってるわ! みたいなこともあるかもしれません。
🐱島田:全国の方と話せるっていうのも面白い経験ですよね。全国の施設からの相談を受けない限り、なかなかできない経験というか。
ちなみに地方の施設職員さんとお話しして、 方言とか自分の知らない言葉で説明されたときって、どうされてます?
🐭角田:私は正直に聞いちゃいますね。「ごめんなさいっ! その言葉の意味がちょっと分からないんですけど、どこか痛いってことですかね〜?」って。
相手の方も意識せずに使ってらっしゃる場合もあるみたいで「あーこれ方言なんですか!」って驚かれることもありますね(笑)。
一緒にオンコールナースとして働きませんか?
今後の目標は?
🐶細畑:一番の目標は、とにかく続けること! 今の働き方がすごく自分に合ってるっていうのもあるし。
本業で介護職員さんにお悩みを聞くと、お困りの多くは施設看護師さんのいない夜間帯の話なんです。オンコールナースという立場でお仕事をしていると、こういう方のお手伝いを直接できているんだなって感じられて。お金を稼ぐためだけじゃなくって、自分の中で一貫性を持って働けてるなって思えるようになったんです。
🐱島田:素敵です。私は、もっと全体的にスマートな対応ができるようになりたくて。具体的に達成しなきゃと思っているのは、コール時間をもっと短くすることですね。いつも長くなりがちで……。
「傾聴している」というと聞こえはいいんですけど、やっぱり私が短時間で必要な情報をしっかりキャッチして手短に終えられたら、お互いにとっていいことなので。今、いろんな先輩たちの電話を聴き漁って、いらないものを削ぎ落としていけるように修行しております。
🐭角田:運営チームの目線で言うと、サービスがこの調子でどんどん大きくなっても、オンコール品質を保っていきたいですね。ドクターメイトに電話すると安心だよねって言い続けてもらえるといいなって。そこはプライドと熱意をもってやっていきたいです。
あともうひとつ、やっぱりオンコールナースあってのサービスなので、一人ひとりを大切に、どうやったらみんなが安心して働いていけるかなって、しっかりコミュニケーションをとりながら考えていきたいな。一緒に仕組みを作っていきたいなと思っています!
どんな人におすすめの仕事ですか?
🐱島田:家で待機する、と聞いて、ひとりぼっちでやってると思う方が多いと思うんですけど、実際は夜中であっても、オンラインでめちゃめちゃやり取りしてるんですよね。なので、みんなでワイワイすることが好きな方のほうが向いてるなと。
🐭角田:個別でやってると思われがちだけど、チームワークが大事な仕事ですよね。
あとは、心と時間にある程度の余裕のある人のほうがオンコールナースに向いているかなと思います。体力的にすごく大変というわけではないけれど、緊張感はあるし、マニュアルを見たり自身の対応を振り返ったりする自己研鑽も必要だし。
🐶細畑:実はまさに私「余裕がない」って理由で1度、採用を辞退した過去があって。でも後から「やっぱりお仕事したいです〜!」ってお電話させてもらって今に至るんです(笑)。
当時は本業+コールセンターの仕事をしていてバタバタしてたので、とても研修に追いつける気がしなくて。でも「やりたいなら時間を作ればええ!」と思ったりして、当時やっていたコールセンターのお仕事は辞めて、ドクターメイトに切り替えたんです。 それでようやく研修に注力できた、っていう状態でしたね。
どんな人と一緒に働きたいですか?
🐶細畑:私はとにかく優しい人。看護師さんはちょっとこう、ね。きつい感じの方もいると思うんですけど……(笑)。
🐱島田・🐭角田:あはは!!
🐶細畑:でも介護職員さんってみなさん本ッ当に優しいので、優しい人に対して、同じくらい優しくできる人がいいかなって。
私は待機中にほかのオンコールナースの対応履歴を聴き漁るんですけど、みんな優しい喋り方なんですよ。すごいなぁ、私もこんな喋り方したいな、と思うような方ばっかりで、だからこういう良い雰囲気でお仕事が続けられるんやろなと思います。
🐭角田:ドクターメイトのオンコールサービスは、単にトリアージするサービスではなくて、ほんとに利用者さんや介護職員さんのことを思って提供しているサービスです。そういう思いで関わってくれる人と一緒に働きたいなと思います。
あとは、看護師としての新しい働き方や違うスキルを手にいれてみたい! という方にはぜひチャレンジしてほしいですし、輝いてもらえるんじゃないかなと思ってます。
🐱島田:お待ちしてます〜!