【オンコールナース名鑑 Vol.6】仕事も趣味も、わがままに!自由を選ぶという挑戦

【オンコールナース名鑑 Vol.6】仕事も趣味も、わがままに!自由を選ぶという挑戦

今回ご紹介するのは、病院勤務に捉われない柔軟な働き方を模索し、自分らしく働く野田晴菜さんです。岡山県からフルリモートで全国の介護施設を支援しながら、育児と趣味もとことん楽しんでいます。

看護師としての専門性を活かしつつ新しい仕事にチャレンジする野田さんの、変化のきっかけや現在の働き方を聞きました。

仕事・家庭・趣味を楽しむために

簡単に自己紹介をお願いします!

野田晴菜と申します。夫と子どもと3人暮らしで岡山県に住んでいます。晴れの日が多くて過ごしやすく、面白い人が多い地域です。千鳥のノブさん・大悟さんや、ウエストランドの井口さん・河本さんなど、岡山出身のお笑い芸人はたくさんいるんですよ!

私は夜間にオンコールナースとして在宅でお仕事をしていて、昼間は育児や睡眠の他、絵を描いたり植物を育てたりネイルの勉強をしたり、趣味に時間を注いでいます。最近は日中ヒアリング(※)のお仕事も始めました。

※日中ヒアリング……オンコールがあった日の翌日に施設にお電話し、当時の様子を確認しながら経過確認や品質向上に向けたヒアリングを行う

どうして看護師の道に進んだのですか?

高校生の頃からなんとなく「なんでもやりたいし、できる気がする」と謎の自信に満ち溢れていました(照れ笑い)。進路を決めるタイミングで、周囲の友達が養護教諭や保健師を目指して頑張る様子を見ていて、ふっと頭の中に浮かんできたのが看護師のお仕事で。この時頭に浮かんできたものが違ったら、きっと別の人生だったと思います。

思い浮かんでからは「可愛いナース服着たいな〜。ドラマみたいに働きたいし、夜勤明けに美味しいランチに行きたいな!」と妄想が膨らんでモチベーションも上がり、勉強を始めてからは「看護師になるんだ」という思いが揺らがなかったですね。持ち前の運の良さで看護学部に入学でき、国家試験も合格できました。

その後、地元の総合病院の循環器内科・心臓血管外科病棟で働きました。すごく忙しい病棟で、緊急性の高い患者さんも多くて……。夜勤明けは想像していたキラキラのランチではなく、濃厚豚骨ラーメンを食べてストレス発散していました(笑)。

人の役に立てる場所で感謝される機会も多かったのですが、家庭との両立は難しいと感じて、結婚を機に退職。比較的落ち着いて仕事ができる、循環器内科のクリニックに転職しました。

病棟勤務時代には退院後の患者さんにお会いする機会がなかったので「退院した方、最近どうしているんだろう」と思うことがありましたが、クリニックでは処方や検査のたびに患者さんと顔を合わせます。「今日は顔色がいいな」などと様子を見られるようになり、より深く関わることができると感じて、楽しく働けました。

先入観から飛び出して、わがままに!

ドクターメイトに出会ったきっかけは?

コロナ禍の出産が転機でした。育休産休中に不要不急の外出を控え、ひとりで自分と向き合っていると「子育てをしながら今までのような生活を続けられるのか?」という体力的・メンタル的な不安がよぎるようになって。

そんな時に、コロナ感染者のための療養ホテルで看護師を募集していると耳にしました。看護師というと病院やクリニックで働くのが当然という先入観があったのですが「いろんな看護師の働き方があるのかも」と気づき、すぐ応募してホテルで働き始めました。この時が人生のターニングポイントだったと思います。

療養ホテルで働く方は、ツアーナースという修学旅行に帯同する仕事をしていたり、看護師をしながらパン屋さんをしてたりと本当に多様でした。そういう話を聞くうちに「もっと自分らしく生きられるんだ」「やりたいこと、経験したいこと、もっとわがままに生きていきたい!」と思うようになったんです。

そこで、私が私らしくやりたいことをやって生きるために、在宅の仕事をしよう!と一念発起しました。

現在はどんな働き方をされているんですか?

深夜、もしくは明け方の時間帯でシフトを担当することが多いです。

深夜の場合は、シフトと夫の帰宅時間が重なるタイミングがあるので、夫と少し談笑したり、おやすみ〜と声をかけながら待機に入ります。子どもを寝かしつけた後に集中して働けるのがいいですね。

コールの頻度は余裕を感じる日もありますが、電話を切ったらすぐに次の電話が鳴ることも。忙しい日の多さから、導入施設数が増えてきたのを実感しています。

明け方の場合はコールを受けて、退勤後に保育園に送りに行くルーティンです。子どもが熱を出してお迎えに呼ばれても、日中の勤務ではないのですぐに対応できます。

体調不良等でシフトに穴を開けてしまう場合、皆さんが協力してシフトを交代してくれています。勤務調整に関して柔軟なのは強みだと思います。また、一緒に夜勤に入るナースさんはみんな優しく相談しやすい、頼もしい存在です。

大事なのは、無理なく続けること

オンコールナースをやってみて、どうですか?

お電話の相手は介護スタッフの方ですし、患者さんが目の前にいるわけではないため、高度な医療用語を使わずに対応する必要があります。そのため、現在の状態を正確に把握するには、高いコミュニケーション能力が求められる難しい仕事だと思います。

電話の向こうにいるスタッフさんが何を求めて相談してくれてるのかを把握した上で、わかりやすくアドバイスをお伝えできるように頑張っています。少しずつですが、電話越しでも感情や表情がイメージできるようになってきました。

私はコミュニケーションがすごく得意というわけではなくて、人間関係に疲れてしまうことがあったんです。でも、リモートワークではツールを活用し、お互いに配慮をしながら働けているので、すごく適切な距離感だと感じています。

化粧やヘアセットなどの身だしなみも最低限で良いし、通勤時間もゼロ。このお仕事を始めてから、時間の有効活用がどんどんうまくなってきました。

余裕が生まれて、どんな変化がありましたか?

もっといろんなことができる、やりたい!という思いが強くなりました。そんなタイミングで先輩オンコールナースの角田さんからお声がけをいただいて、新しく「メモリーケア※」のお仕事を始めることにしました。

※メモリーケア:認知症に強い医師がオンラインでケアや処方のアドバイスをするサービス

看護師の仕事の可能性が広がっていると感じます。AIの活用などやったことない新しいことにチャレンジして、できることが増えていくのも嬉しいです。未知の世界に挑戦するからこそ勇気が湧き、さまざまなことにやりがいを見出すことができます。

ドクターメイトの仕事を通じて「看護師が活躍する場は病院だけじゃない」とみんなに知ってほしい気持ちです!

最後に、読んでくださっている方へメッセージをお願いします!

もし病院で高齢者が転倒した場合、夜勤看護師の応援を呼んで、当直医を呼んで、レントゲンやCTを撮って……と迅速に対応できます。でも介護施設ではそんな設備はありませんし、骨折しているかもしれない、頭の異常はないか、などという不安を抱えたまま夜を過ごされるスタッフさんもいらっしゃると思います。

だからこそ、介護施設の看護師さんは「医療対応は自分がやらなきゃ」という責任感に追われていることが多いと感じます。頑張ることも大事ですが、無理なく続けていくことはもっと大事。仕事もプライベートもみんな楽しくできたらいいですよね。

オンコールナースは、施設看護師や施設スタッフの心の余裕を作ったり、働く楽しさを見出すお手伝いをしたりできる仕事です。協力して支え合っていけば大丈夫だから、自分だけで頑張らなくていいような、みんなが働きやすい環境づくりができたらいいなと思います。

私自身も、楽しみながら・無理なく・仕事と家庭を両立して、オンコールナースのお仕事を続けていこうと思います。

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