こんにちは! 医療と介護をつなぐドクターメイトです。
介護、と聞いて「身近な話題ではない」と感じる若い方も多いかもしれません。もしそう感じたのであれば、ちょっとだけお時間をください。
私たちは今、超高齢化社会のなかで歳を重ねています。多くの高齢者を支えるこの日本で生きていれば、いずれ祖父母や両親に介護が必要になり、やがては自分たちも高齢者になる日がやってきます。少し将来的ですが、必ず身近な問題になる分野です。
また国全体というレベルで見れば、約130兆円の社会保障費のうち、約40兆円が医療に、約13兆円が介護に使われており、しかもこの費用は膨れ上がり続けています。この未曾有の状況をどこかで改善しなければ、安心安全な医療介護を持続的に保障してもらうことは難しくなるでしょう。
今回は、そんな課題と未来についてお伝えするため、ドクターメイトの代表である青柳にインタビューしました。自分たちの国、そして家族を取り巻く課題について、この記事を通じて知っていただければ幸いです。
代表取締役医師:青柳直樹
皮膚科医として診察を行うなかで、重症化した搬送患者や軽症ながらも通院するケースを目の当たりにし、医療と介護の間に深刻な溝が存在することに気づく。
複数の施設訪問を経て課題解決の必要を感じ、一念発起。デジタル技術を活用しつつ「持続可能な介護のしくみをつくる」べく、ドクターメイト株式会社を創業した。
国際レベルで前例のない社会課題
Q:医療介護を取り巻く現状について教えてください
今、介護現場のリソースは逼迫しています。理由のひとつは、他に類を見ないほどの急速な高齢化。母数が増えるだけでなく、介護度が高い(より高度な介護を必要とする)方もどんどん増えています。
もうひとつの理由は、医療費削減の皺寄せです。今までなら入院治療を受けていた高齢患者を早期退院させるよう国が促したことで、「介護施設の病院化」が進みました。介護現場では、医療的な対応ができる知識や看取り(最期を迎えるまで行うケア)の重要性が年々高まっています。
ただ現在、医療的なケアを実現するだけの体制を、介護施設は十分に整備できていません。医療と介護の連携、そして介護現場の負荷軽減は、持続的な介護の仕組みづくりにおいて最重要の課題です。
Q:なぜ医療と介護の連携は難しいのですか?
施設の種類はもちろん、制度も、財源も異なるからですね。報酬の考え方も、運営の仕方も、普段使う言葉も違うため、相互理解や情報連携が難しいんです。
日本は「医療保険」と「介護保険」を分けて運用しています。実のところ、これは世界でも日本と欧州の一部の国くらいでしかしっかり運用されていない、珍しい形です。(アジアでは韓国や中国の一部で、日本に少し遅れて介護保険法の導入が始まっています。)
介護保険を運用している欧州と日本との違いは、日本が欧州の比較にならないほどの急速な高齢化をしている点です。しかも、日本は欧州のどの国よりも高齢化率が高く、世界一になっています。
こういった状況下での介護保険の運用は、世界がまだ経験したことのない新しい課題ですが、日本は世界に先駆けて、今まさに介護保険の課題にぶつかっている状況です。
だからこそ日本は、同じく急速な高齢化を迎えつつあるアジア諸国から「高齢化をどう乗り越えるのか?」「医療と介護を分けることは正解なのか?」と注目されています。
(引用:内閣府令和4年版高齢社会白書 2 高齢化の国際的動向)
今、日本で介護に挑めることの価値
Q:そうした状況について、どうお考えですか?
正直、今このタイミングで日本に生まれたことを、すごくラッキーだなと思っています!
前例のない高齢化の最先端を行く国の、まさに変化を遂げようとしているフェーズの真っ只中で、まだ誰も解決していない課題に取り組めるんですよ。こんなの、やりがいしかないですね。
しかも、この課題をうまく解決できれば、今後起きるであろう世界の課題まで解決できる可能性があるわけですから。すごく大きなインパクトを出せると感じますし、もはや使命感すら燃えてきます。
Q:これからどんな世界を作りたいですか?
医療介護の「当たり前」を変化させたいです。
我々の日々の生活はどんどん便利になっているので、古いテクノロジーを見ると「どうしてこんなに不便なものを使ってたんだろう」と思うような瞬間があると思います。そういう変化を開拓していくのが、ドクターメイトの役割だと思っています。
介護に関わる人たちが「どうして今まで、数時間かけて何度も通院していたんだっけ?」「なんで週に1度しか会えないお医者さんを待ってたんだっけ?」と、過去を不思議に思ってしまうような、新しい「当たり前」を開拓したい。
そうすればあらゆる基準がアップデートされて、持続可能な介護の実現、日本の課題解決、そして世界の課題解決に繋がっていくと思います。
そのために様々な側面からのアプローチを考えていますし、果敢にチャレンジしていきます。アイデアはあっても馬力が足りない日々なので、一緒に未来を変えてくれる仲間に出会いたい!
面白そうだと感じた方、興味を持ってくださった方、ぜひご連絡ください。